BLS/AED普及啓発
HIROSHIMA
命を救う勇気のバトン
BLS・AED普及啓発事業
突然の心停止。 もし、目の前で大切な人や見知らぬ人が倒れてしまったら...?
私たちの願いは、広島県内における院外心停止症例からの救命率・社会復帰率の向上です。そのために最も大切なのが、その場に居合わせた方が行う「心肺蘇生術(BLS)」と「AEDの使用」です。
救急車が到着するまでの数分間が、その方の命を救うために極めて重要であり、この間に適切な心肺蘇生術とAEDの使用が行われるかどうかで、命が助かる確率は大きく変わります。
BLS・AEDは、特別な医療従事者だけが行うものではありません。誰もが身につけられる、そして誰もが命を救える可能性を秘めた、大切なスキルです。当事業では、地域社会の皆様が安心して、楽しく、そして実践的にBLS・AEDを学べる機会を提供しています。
命を救うための3つの重要な行動
助けを呼ぶ・119番通報
人が倒れているのを発見したら、まず最初に行うべき重要なアクションです。
- 周囲の人に「人呼んで」と大声で助けを求める
- 119番通報で救急車を要請する
一人では限界があるため、協力者を得ることでAEDの確保や胸骨圧迫の交代が可能になり、より効果的な救命活動ができます。専門的な医療処置を行う救急隊の早期要請が生命を救う鍵となります。
胸骨圧迫
「コール」と並行して、すぐに始めるべき救命処置です。
- 胸の中央を強く速く押す
- 1分間に100-120回のペースで継続する
心臓が止まると脳や全身への血液供給が停止し、数分で深刻なダメージを受けます。胸骨圧迫により人工的に血液を循環させ、重要な臓器への酸素供給を維持し、救急車到着まで命をつなぎます。
自動体外式除細動器
心臓の異常な電気活動を正常に戻すための救命機器です。
- AEDを傷病者の近くに運ぶ
- 電源を入れて音声ガイダンスに従う
心臓突然死の多くは「心室細動」が原因です。AEDは自動的にこの状態を判断し、電気ショックで心臓の動きを正常に戻します。音声ガイダンス付きで誰でも操作でき、早期使用が救命率を飛躍的に向上させます。
動画で学ぶBLS/AED
これらの「コール」「プッシュ」「AED」は、一連の救命処置として連携することで、傷病者の救命率を最大化します。これらの行動を覚えておくことが、もしもの時に誰かの命を救う力となるでしょう。
アスリートと共に、救命のヒーローを地域へ
私たちは、地域社会の模範となるアスリートの皆様に対しても、BLS(一次救命処置)およびAED(自動体外式除細動器)の重要性を伝え、その知識と技術の習得を推進しています。
トレーニング中や試合中はもちろんのこと、日常生活においても、万が一の事態に遭遇した際に的確な初期対応ができることは、アスリート自身の安全確保、そして周囲の人々の命を救う上で極めて重要です。
さらに、普及啓発活動にご賛同いただいたアスリートの方々には「救命アンバサダー」として、BLS・AEDの重要性を地域社会へ広める役割を担っていただいています。彼らの発信力と影響力を通じて、より多くの人々が救命の輪に参加し、地域全体の救命率向上につながる「ヒーロー」が一人でも多く増えることを目指し、共に取り組んでいます。
アスリートの力と、地域みんなの力で、広島をより安全な街に。
未来を救う学びを、学校から
私たちは、次代を担う子どもたちが学生時代から救命処置の基本を学ぶことの重要性を認識し、学校現場へのBLS(一次救命処置)およびAED(自動体外式除細動器)の普及啓発活動にも力を入れています。
授業や課外活動を通じて、心肺蘇生法やAEDの使い方を身につけることは、子どもたち自身が「もしもの時」に冷静に行動し、目の前の命を救うための第一歩を踏み出す勇気とスキルを育みます。
この取り組みを通じて、学校が地域全体の安全意識を高める拠点となり、生徒たちが将来、社会の様々な場面で救命の担い手として活躍できる「救える誰か」になることを目指しています。
若い世代への学びが、未来の多くの命を救う力に。
私たちの活動紹介: 親子で学ぼう心肺蘇生術
未来を担う子どもたちとその保護者の皆様を対象とした「親子で学ぼう心肺蘇生術」を実施しました。このプログラムは、心肺蘇生術を、親子で協力しながら楽しく学べるように工夫しました。
人形や枕、AEDトレーナーを使った実践的な練習や、動画や説明を通じて、子ども達でも「もしもの時」に何ができるのかを具体的にイメージできるようになりました。保護者の方も、お子様と一緒に学ぶことで、家庭や地域での安全意識を高めるきっかけとなりました。
この活動を通じて、幼い頃から命の大切さを学び、いざという時に行動できる勇気を育むことを目指しました。「胸骨圧迫を実際にやってみて大変さが分かった」「AEDの中を初めて見ることができた」「自信がついた」「将来医療従事者になりたい」といったお声をいただきました。